障がい者専門転職エージェント、就労移行支援事業所で延べ250名以上の方の就職・転職サポートをしてきたkimiです。
就職、転職を考えた時に、就労移行支援事業所が気になったことはないでしょうか?
今回は、就労移行支援事業所に通うメリット・デメリット、こんな人にはオススメ!オススメしない!という話をお伝えしたいと思います。
就労移行支援事業所とは?
就労移行支援事業所とは、障がいのある人や難病の人が就職・転職する前段階の準備を行うために通うことができる通所施設です。福祉サービスとして提供されている就労移行支援のサービスのうちの一つです。
就労移行支援事業所は原則、以下の3つの条件を満たしている人が利用することができます。
- 原則18歳以上65歳未満の人
- 障がいや難病のある人
- 一般企業への就労を希望し、就労が可能と見込まれる人
就労移行支援事業所に通うメリット
就職活動でアピールできる実績を作ることができる
就労移行支援事業所に通うメリットは多くありますが、私が就労移行支援事業所で利用者の就職サポートを行う中で感じた一番のメリットは、就職活動でアピールできる実績を作ることができることです!
企業側が第一に気にすることは「毎日会社に来られるのか」ということ
企業側が採用を決めるにあたって、スキルや経験、人柄などさまざまな判断項目がありますが、その前の大前提として、「毎日会社に来られるのかどうか」という判断が入ります。
就職・転職活動において重視されるのは、経験と実績です。
「毎日会社に来られる人材かどうか」という点における一番安心感のある実績は、現職中で一定期間問題なく出勤できているということでしょう。
しかし、
・障がい受傷して初めての就職活動
などの場合は、これに代わる実績をアピールすることで「毎日会社に来られる人材かどうか」という第一関門を突破することができるでしょう。
その実績を作ることができる場の一つが就労移行支援事業所です。
就労移行支援事業所に数か月通所し、高い通所率を継続できているという実績は、就職活動で有利に働くでしょう。
週5日安定的に通所できるようになってから数か月通所することで、就職活動でアピールできる実績を作ることができます。
PCスキルやビジネススキル、専門知識を習得できる
就労移行支援事業所では、その事業所によって取り組みはさまざまですが、
- 就職に向けた準備としてExcel、Word、PowerPointなどのPCスキル
- 電話対応、報告・連絡・相談の仕方
などビジネスの基本を学ぶことができます。
Webデザインなど専門知識を習得できる施設もあります。
通所を通して身に着けたスキルは、就職活動において大きなアピールポイントになります。
自分自身の障がいや病気について理解を深め、必要な配慮を明確にすることができる
自身の障がいや病気については、それまでたくさん考え、向き合ってこられていると思います。
そんな方々でも、就労移行支援事業所の通所を通して、
- 一般的に言われている自分の障がい・病気の特徴
- その中で自分に当てはまるものは何か
- それを踏まえて仕事をする上で必要な配慮は何か
という点において新たな気づきを得たり、他の人に説明する上で伝えやすい文言を見つけることができることが多くあります。
就労移行支援事業所に自分と同じ障がい・病気の人がおり、その人との対話の中で新たな気づきを得ることもあるようです。
仕事をする上で必要な配慮を明確にすることは、適職にたどり着くための重要なポイントでしょう。
業務における得意・不得意を見つけることができる
例えば事務職ひとつ取っても、入力、内容のチェック、資料作成、議事録作成、電話対応など業務内容はさまざまです。
また、基本的には黙々と一人で進める業務もあれば、顧客やチーム、他部署と連携を取って行う業務もあります。
就労移行支援事業所では、講師を上司に見立てた模擬職場体験ができたり、さまざまな業務の模擬体験をすることができます。
また、企業での実習に参加できることもあります。
就職後、安定的に働く上で自分がより向いている仕事内容や環境を見つけるきっかけが多くあることも就労移行支援事業所に通うメリットの一つです。
就職活動におけるサポートやアドバイスを受けられる
就職活動を開始すると、さまざまな悩みが出てくると思います。
・履歴書、職務経歴書はどう作ればよいのか
・面接での受け答えが不安
・応募企業はどこでどうやって探せばよいのか
・どの企業を受ければよいのか迷う
こういった悩みも就労移行支援事業所の職員と相談しながら進められます。
履歴書や職務経歴書の作成のサポートを受けられたり、職員と一緒に面接練習をできることも心強いでしょう。
企業説明会や面接会、実習など、通所者対象の就職活動イベントに参加できる
就労移行事業所では、通所者対象の就職活動イベントや説明会、面接会、実習への参加の機会があります。
企業担当者がその施設に出向き、説明会を実施することもあります。
就労移行支援事業所の職員が面接に同席できる場合もある
就職活動の面接時に、就労移行支援事業所の職員が同席できる場合もあります。
そういった場合、就労移行支援事業所での様子、客観的な実績・人柄などを面接の場で説明してもらえるというメリットがあります。
就職後の定着支援が受けられる
就職という大きな環境・状況の変化は、不安を感じたり困りごとが出てくることも多いでしょう。
就労移行支援事業所に通所し就職をすると、就労移行支援事業所の職員からの定着支援を受けることができます。
就労移行支援事業所に通うデメリット
一定期間は通所する必要がある=就職の時期が遅れる
交通費や昼食代がかかる
こんな人にはオススメ!
・障がい受傷後、病気発症後初めての就職を目指す人
・直近の学歴・職歴からブランクがある人
・就職活動の準備として、PCスキルやビジネススキルの習得をしたい人
こんな人にはオススメしない
・現職中ですぐに次の職場を決めたい人